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執念の逆転劇!!渡部愛の初タイトルを懸けた里見香奈への挑戦 [ハイライト]

 

運命の第4局の結果

 

 

6月13日に行われた第29期女流王位戦の第4局目が徳島市で行われた。迎えた第4局目までの戦績は2勝1敗で渡部愛女流二段が初タイトル獲得へ王手をかけてプレッシャーが大きくかかっています。対する里見香奈王位も失冠の崖っぷちへ立たされ、どちらにとっても大事な一局です。

そして結果は、、、

 

 

 

 

 

 

渡部愛先生おめでとうございます!!!

初タイトル獲得と女流三段へ昇段です!!

 

 本当に良かったです!

しかし王位獲得までの道のりも楽ではありませんでした。相手は女流の超強敵である里見香奈先生で、最後の一局も逆転をかすめ取ったとても見応えのあるものでした。大まかにハイライト形式で解説をさせていただきます。

 

戦型は先手の渡部女流二段が超速3七銀、後手の里見女流王位ゴキゲン中飛車でした。里見女流王位の巧みな指し回しにより、先手が少し嫌な形へ。

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この5七歩の叩きが急所で、何でとっても先手陣が乱されてしまう手筋の叩きです。本譜の進行は同銀と取りましたが、同金左と取り、端の攻めが間に合い先手やや良しというのがソフトの見解のようです。

 

そして5七歩以下

▲同銀△7六飛▲7七角

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最終手の7七角で手番を渡してしまうのが先手の辛いところです。7七歩と打てば飛車は追い返せるのですが、今度は角が使えず不利に。この局面で評価が後手に少し振れます。

 

図から数手進み以下の局面へ。

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ここでは先手がマイナス700点程度の評価でだいぶ厳しそうですが、ここで後手に疑問手が現れます。

 

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9三歩!これは受けに重点を置いた手なのですが、結果的にチャンスを逃したようです。9三歩に代わり9六歩が推奨手。それでもまだ少し良いのですが、攻めを呼び込む危険な手でした。その機を逃さず先手は玉の安全を主張し怒涛の連続する攻めで敵玉を危ない形へ導きます。

 

 

 

 お手本のような挟撃体制でかなり神経を使わされる展開へ。

 

  

 最後の先手の勝負手である3三桂の妙手。これを同金と取った局面で完全に逆転しました。最善手は6六銀と攻め合う手のようです。この手ならば1000点ほど後手が良く里見王位の指せる将棋でした。

 

 

女流王位戦を通し見ての感想

 

今回の王位戦里見香奈先生が奨励会を退会されてから初めてのタイトル防衛戦でした。そのような背景もあり今回タイトルを防衛し勢いづきたかったのが正直なところでしょうか。そこで迎えた相手が渡部二段でした。今回の棋戦でも明らかなように相当の実力者で、加えて劣勢になってからの勝負術もさすがの力でした。そんな相手に最後の数手前までリードを保ち続け結果負けてしまったのは先生もとても悔やまれるでしょう。今後ぜひ調子を戻して頑張っていただきたいです。

お二方とも本当にお疲れさまでした。